2008年3月9日日曜日
球春(3月9日)
札幌ドームに今年も球音が戻ってきた。先週から始まったプロ野球のオープン戦。家族連れやファンの歓声が連日ドーム内に響いている▼注目はやはりファイターズの新人中田翔選手だろう。十八歳と思えぬ打球の飛距離と存在感。三振しても絵になると楽天の野村克也監督をうならせた。そんな選手は怪童と言われた元西鉄の中西太、巨人の長嶋茂雄以来というのだ▼プロの壁に苦労している感じだが、インタビューを聞く限りめげてはいないようだ。あの長嶋だってデビュー戦は四打席すべて三振だった。焦らずゆったり構えればいい。久しぶりにわくわくさせてくれる選手なのだから▼今年は米大リーグからも目が離せない。道民に夢と希望を与えてくれた日ハムのヒルマン前監督がロイヤルズを率いる。ア・リーグ中地区で四年連続最下位の弱小球団にも「シンジラレナーイ」の奇跡をもたらすか▼同監督の下では野茂英雄投手が三年ぶりのメジャー復活を目指す。日本人大リーガーの道を切り開いた彼もこの夏で四十歳。一昨年に右ひじを手術し、リハビリとトレーニングに黙々と励んできた。ひたむきな姿に頑張れとエールを送りたくなる▼北海道はまだ雪深いが、一足早くドームにめぐってきた「球春」に心が躍る。野球の名付け親でもある歌人正岡子規は「春風やまりを投げたき草の原」と詠んだ。下旬の開幕が待ち遠しい。
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