2007年11月9日金曜日
量、種類…産廃業者あ然 「清田ごみ回廊」 20年分のほこりもうもう
「よくもまあ、こんなに」。産廃処理のプロでさえ、驚くほどのごみの山。札幌市が六日、行政代執行に着手した清田区の通称「ごみ回廊」には、早朝から多数の報道陣が詰めかけ、上空を取材ヘリが旋回した。油圧クレーンがうなると、廃車、廃家電などの廃棄物とともに、二十年ほど前からたまったほこりが、もうもうと立ち上った。 *廃車、簡易トイレ… 廃車にストーブ、蛍光灯、簡易トイレ、金属製の歯車…。長さ約三百二十メートルにわたる「ごみ回廊」の廃棄物は、量だけでなく、内容も幅広い。世の中のあらゆるごみが、ここに捨てられたとさえ思えるほどだ。 強制撤去は午前十時、木田潔・不法投棄対策担当課長の代執行宣言でスタート。五十人以上の報道陣が見守る中、中間処理業者「テクノ」(小樽)の作業員十二人が作業に着手し、山積みのごみと格闘した。 機材は油圧クレーン一台、トラック六台。重機で一気に片付くかと思ったが、そうではなかった。廃棄物の種類によって処理方法が異なるため手作業で選別しなければならないからだ。 この日は廃車、金属くずを中心に撤去したが、重機で一掃できたのは入り口付近の廃車のみ。さびついたバスの車内には、ソファや蛍光灯などが詰まっていた。中には正体不明の液体もあり、慎重に中身を調べながらの作業に。作業員の一人は「こんな現場、見たことない」とまゆをひそめた。 *住民 来春に期待 やっかいな廃棄物だが、地元住民の喜びはひとしおだ。ごみの山から二百メートルほどにある自宅の窓越しに撤去作業を見守った無職荻野義彦さん(65)は「来春には散歩できるかな」と語る。 荻野さんは二年前、念願のマイホームを構えた。ごみの存在を知らず、自然豊かな山林を歩くのが夢だったが、期待は裏切られた。「油臭くて、気分が悪くなる」 産廃の山は、新たなごみを呼んだ。住宅地に車でやってきて、家電や毛布、ソファを捨てる人もいた。「ごみ回廊」には犬猫も捨てられた。荻野さんは行政代執行で、ほかの不法投棄もなくなると期待している。 *トラック10台分 午後四時。テレビ局が夕方のニュースを中継するころ、撤去作業が終了した。不法投棄した古物商の男性(60)は結局姿を見せなかった。 この日は廃車二十七台を搬出。金属くずなどを含めると、十二トントラック十台分の廃棄物を撤去した。市は「順調に進んだ」と語る。 だが、冬の足音が聞こえる十一月の作業は、時間との勝負でもある。廃棄物との格闘は土日を除き、連日行われる。
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