2007年8月13日月曜日

札幌マンション人気が曲がり角 分譲物件成約 19年間で最低 価格上昇、中央区が減

ここ数年、マンション建設ラッシュが続いていた札幌市内の今年上半期(一-六月)の分譲マンション成約数が、平成(一九八九年)以降の十九年間で最低を記録したことが分かった。地価上昇と建材高騰などでマンション価格が今春から一斉に10-15%値上がりしたことに加え、人気の中央区物件が激減したことが大きな要因だ。七月末の市内在庫戸数は千九百戸と八年半ぶりの高水準に達しているが、新築物件は今年後半も昨年を上回るペースで出てくることが予想されており、業界では供給過剰を指摘する声が強まっている。(経済部 舟崎雅人)  民間の住宅流通研究所(札幌)の調べによると、上半期の成約戸数は耐震偽装問題が響いて激減した前年をさらに百七十戸下回る千五百三十七戸となり、「マンションブーム」が叫ばれた二○○五年からは約三割も落ち込んだ。  不振の理由の一番手に挙げられるのは、業界で「新価格」と呼ばれる今春の値上げだ。  好立地を開発業者が奪い合った結果、ブームの発端となった中央区のほか、地下鉄沿線の豊平区、白石区などで軒並み地価が上昇。土地の供給よりも需要が上回る売り手市場になったことを意識し、民間の土地売却でも入札方式を採用する事例が増えており「好立地では路線価の二倍近い値を付けないと落札できないケースもある」(じょうてつ)という。さらに本州の好景気などで、鉄やセメントなど建材価格も上昇。これらが価格に転嫁された。  今や中心部から離れた厚別区でも、昨年の中央区の物件並みの価格に設定している例もあり、ある地場業者は「ショールームに来場しても割高感からか、二の足を踏んでなかなか決めてくれない。お客さんには『これからこの価格帯から下がる要素は全くありません』と説明しているのですが…」と頭を抱える。  しかも人気の中央区物件は減少の一途。今年上半期の新規発売物件では豊平、白石、厚別の三区が全体の65%を占め、昨年まで30%近くを占めていた中央区は、円山や大通地区などの適地が少なくなったため10%に落ち込んだ。  このようにマンションを取り巻く環境が昨年からあまりにも急変したため、購買層は「買いたくても買えない」というのが実情のようだ。  その結果、七月末の在庫戸数は一九○六戸と八年五カ月ぶりの高水準に。それでも各開発業者の建設ラッシュは依然続いており、下半期は中央区の物件も含め市内で約二千戸が完成し、年間供給戸数は○五年並みの四千戸超となる見込みだ。  ここ数年、私募ファンドや不動産投資信託(REIT)といった国内の投資マネーが札幌に流入し、開発を過熱させてきた。すでにこれらの資金流入は落ち着いたとの見方もあるものの、そのあおりで、ファンドなどに賃貸マンションを一棟売りしていた開発業者が、分譲マンション事業に転じる動きも出ており、分譲物件の供給量はむしろ増加する傾向にある。  住宅流通研究所の入谷省悟所長は「新築物件が増えて選択肢が広がることで購買意欲を上げる可能性もあるが、このままでは供給過剰になるのは明らかだ」と話す。業界では今秋以降さらなる値上げが予想される一方、販売数確保に向けて一部でダンピング販売が始まったともささやかれており、都心回帰から始まった札幌マンションブームの先行きはにわかに不透明になってきている。(北海道新聞 引用)

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